よつ葉乳業バター異物混入事件|消費者として思ったこと
ニュースで「バターに金属線が混入、628万個を自主回収」と聞いたとき、正直ビビりました。自分もスーパーでよつ葉バターをよく買うんですよ。味のクセが少なくて、焼き菓子とかパン作りにもぴったりなんですよね。
ただ、今回の件で一番印象に残ったのは、「発覚からの対応がめちゃくちゃ早かった」ってこと。

最近はすき家などもで問題がありましたが、トップの対応次第で世の中の評価が大きく変わってきますね
SNSでも「さすが、誠実な企業」とか「この対応ならまた買いたい」って声も多くて、確かにその通りだなと思いました。異物混入って、どこのメーカーでも起きうるけど、問題は“どう対応するか”なんですよね。
よつ葉乳業社長・有田真のプロフィールと経歴
北海道の乳製品業界をけん引する「よつ葉乳業」。
その代表取締役社長を務めるのが、有田真さんです。
有田真社長の姿勢に感じた「中の人の顔が見える会社」
有田真さんの経歴を調べてみたら、余市町の農家出身で、岩手大学で農学を学び、酪農のための会社・よつ葉乳業に入社した…って流れ、すごく一貫してるんですよ。
しかも、2017年に出演した『カンブリア宮殿』では「酪農家の利益を守る」「小さな声にこそ耳を傾ける」って話してて、まさに今回の迅速対応にもその姿勢が出てた気がします。
正直、社長の顔が見える会社ってそれだけで信頼感ありますよね。
よつ葉乳業に込めた思いと理念とは?
有田真さんが最も大切にしているのは、「酪農家と共に成長する」という理念です。



現場目線ですね、素晴らしい
よつ葉乳業は、1967年に北海道の8つの農協が出資して設立されました。
大手乳業メーカーに価格決定権を握られていた酪農家が、自分たちの利益を守るために立ち上げた会社なんです。
有田さんは、そんな“農家のための会社”という理念に強く共感し、入社当初からその価値を大事にしてきました。
「農家がつくった生乳を無駄にせず、付加価値をつけて正当な価格で販売する」
そして「その利益をまた酪農家に還元する」──この仕組みを実現するために、徹底的に品質にこだわってきたそうです。
このような背景から、有田さんの経営スタイルは、数字だけでなく“想い”に根ざした独自の形なんですよ。
エンジニア視点で見た「異物混入」と「よつ葉乳業の対応」
正直、自分も現場系の障害対応って何度も経験してきたから、こういう製造ライン系のトラブルって、他人事じゃないんですよ。
今回のよつ葉乳業の件、問題の発覚から回収発表までがかなり早かった。エンジニアで言うなら、障害検知→影響範囲の特定→全体アラート→一次対応までの流れが、ほぼ教科書通りだったんですよね。
しかも、「可能性のある商品はすべて自主回収」という判断。これはSE的にいえば「影響が不明なら最悪を想定して全ロールバック」って判断。ここ、実はなかなかできない。
特に食品って「顧客の信頼」が何よりの資産だから、たった1件の事故でも命取り。だからこそ、トラブルのときにどう動いたかで、その企業の“設計思想”が見えてくると思う。
製造ラインのリスクと「設計ミスは必ず起きる」前提
混入の原因が「製造ベルトのゆるみ→金属線の破断」って話でしたよね。
これ、ソフトウェアで言えば「既知の経年劣化リスクに対するモニタリング不足」ってやつです。つまり、ハードウェア的な故障が起きても、“自動検出 or 早期発見”できる仕組みが未整備だった可能性がある。
経験上、こういう「地味で起きにくいけど起きたら致命的」っていうのは、障害対応でも一番厄介です。
でもね、どんなシステムでも“絶対に壊れない設計”は無理なんです。だから重要なのは「壊れたときの検知・通知・回復プロセス」が設計されているかどうか。
「信頼は復旧力で決まる」というリアル
自分の仕事でも、インフラ障害やアプリ不具合で「やらかした」経験、もちろんあります。
ただ、その後に「再発防止策まで含めてきっちりやった」ことで、クライアントの信頼を逆に強められたこともあるんです。
今回のよつ葉乳業も、SNSとか報道を見てると「迅速な対応で信頼が高まった」って声が多い。
つまり、信頼って「やらかさないこと」よりも、「やらかしたときにどうリカバリするか」で決まるんですよね。トラブル耐性=信頼の根っこってことです。
以下はさらにエンジニア目線で本事項を分析します。
【設計】完璧な仕組みなんて、まず存在しない
まず最初に感じたのが、「製造ラインのベルトが緩んで金属線が外れる」っていう、いかにも“ありがちだけど見落とされがち”な設計ミス。
これ、システムエンジニアの現場でいうと、
「メンテフリーと思われていた常駐バッチが年月とともに不安定化して大事故になる」みたいなパターンにそっくりです。
自分も以前、ECサイトのバッチ処理が「大丈夫でしょ」って思ってたら、日次処理がいつの間にか8時間→12時間→20時間…と伸びて、ついには在庫反映に失敗、クレーム祭りになったことがありました。
その時の学びは、
「いくら堅牢に設計しても、経年劣化と“想定外”は必ず起きる」ってこと。
「壊れない設計」よりも、「壊れても即気づける、即止められる、すぐ巻き戻せる設計」の方が大事なんですよ。
【障害対応】初動のスピードと、正直に喋れるかどうか
よつ葉乳業が「消費者からの指摘を受けてすぐに調査、発表」した対応の早さは、SE視点から見てもかなり好印象でした。
自分の体験では、ある金融システムでデータ不整合が見つかった時、上層部が「いったん情報を出すな」とストップをかけたんですよね。その間に影響範囲は拡大、結果的にお客様対応も二転三転して信頼をかなり損なったんです。
それ以降、僕の中では明確な軸ができました。
- 障害対応は“早いほど傷が浅い”
- わからないことは「わからない」と即答する勇気がいる
- 影響は最悪を見積もって、先に手を打つ
よつ葉乳業の「すべての対象商品を自主回収」「詳細な商品番号を公表」「返金ルートを即案内」っていう動きは、まさに正しい障害対応のフローだなと。
【謝罪】「うまくやってます」より「ごめんなさい、でも立て直します」
一番胸に響いたのは、よつ葉乳業が自社で会見を開いて「心からお詫び申し上げます」と言ったこと。
これ、SEの世界でもまったく同じです。
自分もインフラ系の大障害で、数十社にわたる取引先のログが一部欠損したことがあって。プロジェクト責任者として各社の情報システム部門に説明・謝罪に回った時、どの会社からも求められたのは「ウチのせいじゃない」じゃなくて「今後どうするのか」でした。
よつ葉乳業も、「再発防止に取り組みます」「品質管理体制を見直します」っていう姿勢を見せたことで、SNS上でも「これなら次も買う」って声が出てましたよね。
エンジニアであろうと、経営者であろうと、謝罪とは信頼を回復する“第一歩”であって、信頼を失う理由ではない。そう思ってます。
結論:「品質」は設計×運用×人間力の三位一体で守る
今回の件、システムエンジニアとしても学ぶことが多かったです。
- 設計に“絶対”はない。だから壊れてもすぐ復旧できる設計が必要
- 障害対応は初動が命。見切りでもいいからまず止めて話す
- 謝罪は信頼回復の第一ステップ。「正直さ」が最大の防御
ソースコードだけじゃなく、システム全体の“信用”をどう作るかってのが、SEの仕事の一番大事な部分なんだなと再確認しました。
食品もソフトウェアも、「絶対ミスしない」は無理。でも、「ミスしたときに信頼されるかどうか」は、設計と姿勢で変えられる。
そういう意味で、よつ葉乳業の対応は、技術者としてもかなり学びの多い一件でした。